対談 VOL.2
  • JOURNAL

HUIS 松下昌樹 × garage 二村昌彦


HUIS(ハウス)は、低速のシャトル織機で織られる遠州織物を使用し、他にはない豊かな風合いをもつ衣類を製作しています。生活を取り巻く空間に自然に溶け込み、違和感がなく、かつ存在感を感じられるもの。身に着ける人にとって、決して背伸びすることなく、心から満足感を得られるもの。そんな、日々の暮らしの中に馴染む上質な日常着を提供しているブランドです。

HUISとgarageの出会いは7年前に遡ります。今では、garage豊橋・Rust立川・noni横浜で「HUISショールーム」を展開し、garage名古屋では年に2回の展示会を開催する関係です。

衣類と植物、全く違ったジャンルの2つのブランドを結びつけたものは何だったのか、また、この7年で変化したこと、そして、これから先の未来のことを、HUIS代表の松下さんとgarage代表の二村が語り合った2時間。そこからはお互いや、関わる人々をリスペクトする姿が感じられました。

 

<以下>
松)- HUIS 松下昌樹
二)- garage 二村昌彦



二)garageとHUISの出会いは7年前でしたね。豊橋店に来てくれて。

松)そうですね。HUISをスタートして、まだ商品が白シャツとワンピース5~6型あるだけの状態だった頃に、リーフレットを置かせてください!と訪れたのが最初ですね。
それより前からgarageはすごく好きなお店で、浜松から豊橋までよく買い物に行っていたのですが、その憧れのお店にリーフレットを置いてもらいたくて、スタッフの方にお願いしました。

二)ちょうどうちもイベントを企画していた時だったから、「イベント出てくれませんか」とお声掛けしたんですよね。

松)それがHUISにとって、初めてのイベント出店となりました。とんとん拍子に話が進んで、すごく嬉しかったです。
少ないアイテムでディスプレイして、空間をいかによく見せるか、すごく考え抜いた理想の空間でした。あれがHUISの原点だと思っていて、思い出深い出来事でしたね。


garage TOYOHASHI イベント風景

二)それ以降、お付き合いが続いて、今はなき浜松Rustに初めてHUISのショールームを出してもらったんですよね。

松)浜松Rustの中でオープンさせてもらった「HUIS浜松ショールーム」は、HUISにとっても初めての常設店舗でした。でも今はもうないお店なので、HUISのお客さんのなかでも伝説として語られていますよ(笑)
当時、隣りにあったお店が閉まるからRustを拡張するって聞いて、それとなくスタッフさんに場所を使わせてもらえたらいいな、なんて話をしていたら、それもすぐに実現させてもらって。いつも二村さんと話をするとスピーディーに良い方向に導いてくれるんです。


浜松Rust 外観

二)浜松Rustは小さいけれど、カッコイイ店だったなって今でも思います。

松)最高に素敵な場所でしたよね。当時の写真も今でも使わせてもらっていますよ。


浜松Rust 店内シュールーム

二)いまだに写真を使ってくれてるのは、すごく嬉しいです!松下さんにとって、garageってどんな風に映っていたんですか?

松)お客として初めて訪れた時には、圧倒的な世界観に魅了されました。空間の広さも含め、天井まで施されたディスプレイの緻密さ、置いてある商品など、店内に入った瞬間にワクワクさせてくれるエンターテインメントの世界に近い感覚を覚えました。
それを造り出した二村さんと直接話ができたことが、当時すごい嬉しかったのを覚えています。

二)僕は、植物のテーマパークを目指しているんですよ。だから、そんなことを言ってもらえると嬉しいな。まさに、ワクワクや感動を提供したいって気持ちでずっとやってきているので。

松)そんなこだわりの空間にHUISのショールームを展開させてもらって、ありがたいです。二村さんからお話をもらうと、いつも楽しそうでつい乗ってしまう。やっぱり服屋さんとかセレクトショップではない、植物屋さんの中でショールームが展開できるって面白すぎるなと思っていて。


garage TOYOHASHI ショールーム

二)自然な流れでしたよね。浜松Rustを閉めるとなったとき、じゃあ豊橋にショールームを作ろうとなって。立川に出店するときも、ここにHUISさん展開したらいいなって思えたし、noniは素材のお店だから、素材にこだわりのあるHUISさんには当然、お声掛けしたいなって。でも、最近のHUISさんは勢いがすごくて、いつか断られるんじゃないかって心配してます。

松)いやいや(笑)。ショールーム形態も、今は各地で展開していますが、garageさんから確立したスタイルですからね。
HUISが何にもないときに出会って、garageさんに引き上げてもらったって気持ちでいます。それがなければ、もっと足踏みしていただろうなって思います。
garageさんのイベントで出会った人たちと今もつながりがあって、一緒にイベントしたり、面白い場所や楽しい時間をいつも与えてくれる存在です。例えば、garageさんのイベントの打ち上げに行くと、右には農家さん、左には大御所のデザイナーさんが座っているとか、ごく自然にありますもんね。二村さんは普通にやってますけど、僕にとってはそれがすごく刺激的です。


noni YOKOHAMA ショールーム

二)なるほどー、確かに全く意識してなかったですね。自分の周りにはそれぞれのジャンルで活躍している方がたくさんいて、みなさんすごい方々なので、同じ空間にいることに違和感がなかったですね。
あと、植物ってどんなジャンルにも溶け込むから、それが強みだと思っていて。アパレル、美容院、オフィスなどさまざまな場所に植物の納品に伺いますが、やっぱりどこへ置いても馴染むし、違うジャンルでも間に植物を入れるとまとまる気がするんです。どこにでもマッチする植物の力を知っているから、いろんな垣根を気にせずイベントなどができるのかもしれないですね。それがきっかけで新たなプロジェクトが生まれたりしたら、もう最高です。
HUISさんも、この7年でみるみる知名度が上がってますよね。全国各地にコアなファンの方がいて、大活躍じゃないですか!この数年は自分も忙しくしていたんですが、ふと横を見るとHUISさんも猛烈に忙しそうで。勝手に共に成長してきたような感覚でいます。僕はそれが嬉しいんです。この7年間どうでしたか?


garage NAGOYA イベント風景

松)基本的にはずっと一緒ですね。最初から今までも、たぶんこれからも「この生地は本当にすごい」ってところが原動力だと思ってます。
最初にシャトル織機で織られた遠州織物を触った時の感動は、絶対に忘れられません。自分たちはアパレルの勉強をしてきたわけではないのですが、服がとても好きで、めちゃくちゃ見てきたんですね。だから感覚的に良い悪いがわかるようになっていて、はじめて遠州織物に触れた時、こんな素晴らしい生地があったんだってビックリしました。生地の良さを理論立てて説明できるまでに、たぶん3年くらいかかったんじゃないかな。
今も、そんなすごい生地で服を作らせてもらっている幸せ感が半端ないんです。形になるのが楽しくて仕方がない。遊んでいる感覚に近いから、忙しいけどストレスがないんです。その気持ちが商品に反映されてお客様に伝わり、段々とたくさんの方の手に取ってもらるようになったと思っています。

二)変化したことはありますか?

松)最初の頃は、自分たちが着て心地よいもの、もっと言えば、自分たちにしか合わないようなサイズを軸に作っていたけれど、お客様からいろいろな反応をいただき、それに応えたいと思うようになりました。
そうしているうちに、今ではフリーサイズで男女関係なく、様々なスタイルの方にも着てもらえるようなデザインを工夫するようになりました。それが実現できるのが、シャトル織機で織られた遠州織物の良さだと思っています。軽くて、着用した時にストンと落ちる感じがあって、どんなスタイルでもかっこよく着られる。それは、ずっと一緒に専門のパートナーとなってくれているパタンナーさん、縫製業者さんのお陰もあって実現できることだと思ってます。

二)とにかく生地に惚れ込んでって感じですね。確かにHUISさんの服を一度着用した人は、その柔らかくて優しい着心地と軽さに魅了されて、リピートする人が多いですよね。
うちでもHUISばっかり着てるスタッフがいますからね。洗濯機で普通にジャブジャブ洗えるのも、ありがたいですよ。素材の良さプラス、作る側が常に楽しく仕事しているのがいいんですよねー。僕も忘れたくない感覚です。

松)その他にも、garageさんとは共通してるなって感じていることがあって。両店とも、ネットだけでは作れない世界観やお客様とのコミュニケーションありきな接客など、リアルな店作りにこだわりがありますよね。あとは、HUISで言ったら生地、garageさんで言ったら植物そのものが持つ力を大事にしていると思うんです。
自分たちは全国いろいろなところでイベント出店をして、実際に生地を体感していただき、たくさんの人に生地の良さを知ってもらうことが喜びです。だから接客していても、僕なんかはずっと生地の説明をしてます。洋服を買うときって、こっちは似合う、これは似合わないとか言っている過程が醍醐味で、そういう時間が楽しいと思うんです。garageさんを見ていてもお客様とスタッフの方が、この植物はどう?とか、こちらの方が合いそうとか、一緒になって選んでいますよね。そうやって考えると業種は違えど、店頭で素材の持つ力を感じてもらい、それにスタッフが説明を加えて、共に暮らし育てることを提案しているgarageさんとは通ずるものがあるなって思います。そして、そういった部分をこれからも大切にしていきたいなと思っています。

二)確かに、うちはなるべく店頭のPOPは少なくしていて。それが不親切に感じられてしまうこともあるのですが、POPだけではなく、生身の人間であるスタッフの視点で説明をすることが大切だと思っているんです。もちろん基本的な知識は必要ですけど、例えば「この葉の艶がたまらないですよね」とか「この枝ぶりカッコイイですよね」とか、あとは自分自身が育てていて感じたこととか、そういうものもお客様と共有できたら、すごく良い時間になるんじゃないかなって。そもそも、植物が持つ魅力があってこそ、ですけどね。HUISさんの生地と一緒で、植物の良さをたくさんの人に知ってもらいたい!という気持ちが原動力ですね。

松)そうですね。素材そのもの、そしてそれを生産する方々、まず、そこへのリスペクトは忘れてはいけないですよね。生地も植物も生産に関わる方たちは、地元に根付き、ごく自然に毎日仕事をしている。けれどもそれってすごく大変で尊い手仕事で、積み上げられてきた歴史を丁寧に受け継いでいく作業だとも思います。その方たちがいなければ、garageさんもHUISも成り立たないわけですからね。

二)ですね、お店がたくさんの方に支えられていることに本当に日々感謝です。
またgarage×HUISでコラボもできたらいいですね!考えてみたら、garageが初めてコラボした相手はHUISさんなんです。まず黒シャツを作ってもらって、名古屋店オープンの時にはオリジナルエプロンを作って、その時にはスタッフも全員つけて店頭に立ってとても気分が上がりましたよ。また楽しいことをどんどんやっていきましょう!

 


HUISさんのホームページでは、生地が生産される工程などを丁寧に紹介しています。
ぜひご覧ください。
https://1-huis.com/

松下昌樹

松下昌樹

株式会社HUIS代表取締役

2014年にパートナーと二人でHUISを立ち上げる。
マークからもわかるように「HUIS」はオランダ語で“家”を意味する。