STAFF INTERVIEW  VOL.4
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植物を育てる時、どんな鉢を選んでいますか。鉢、と一口に言っても素材や形、色など種類が豊富で迷ってしまうこともありますよね。今回はgarageの本店でもある豊橋店で店長を務める坂倉に、お店のこと、またgarageの鉢と植物の関係について話を聞きました。



―2007年に豊橋の地でスタートしたgarage、その豊橋店について教えてください。

豊橋店は郊外にありロードサイド店のため、売り場面積は4店舗のなかで一番広いです。元々あった工場を代表の二村や当時のスタッフの手でリノベーションしたので思い入れも強く、やはりgarageの原点という感じがします。

homeとyardのふたつの建物があり、homeはナチュラル、yardはインダストリアルな要素を中心に展開しています。天井も高いので空間を使ったスケールの大きなディスプレイが見どころです。豊橋という土地柄からお庭を持つご家庭が多く、庭木や季節の花苗など屋外で育てる植物が人気です。そのため他店舗よりも屋外の植物を豊富に取り扱っています。

―本店の店長ということで、気にかけている部分はありますか。

やはりgarageといえば豊橋と思ってもらえるようなお店でありたいです。愛知県内でいえば、利便性から名古屋店に買い物へ行くお客様も増えたと思います。それでも、たまにはやっぱり豊橋店にも行きたいよねと思ってもらえると嬉しいです。

見るだけでワクワクするような空間、土っぽいファーマーなイメージ、骨太なディスプレイなど、14年培ってきたgarageの最も基礎となる部分が1番色濃く出ているのが豊橋店です。そのベースを大切にしつつ、いつ来ても新鮮な発見を与えることができるように、これからも自分達が格好良いと思えるものを追求して行きたいです。そして、植物に関して困っているお客様に、1番に頼りにしてもらえる店でありたいと思います。

―鉢の選定や仕入れを行っている坂倉店長から、garageで取り扱っている鉢の紹介をお願いします。

材質としては、セメント、ファイバークレイ、プラスチック、テラコッタなどがあります。セメント素材のものは鉢底に穴を開けた時に割れないよう、骨材が入ったものをセレクトしています。
形状では、上部が少し広がったコニック型、全体的に丸いシルエットの丸型、上から下までストレートなラインのシリンダー型、四角いキューブ型などがあります。

色についてはかなり絞っていて、主に黒・白・グレーの無彩色のものをメインに選定しています。それは、オープン当初からのこだわりで、garageらしい空間を作るためにも色彩のあるものは避けてきました。鉢を無彩色にすることで植物も際立つし、どんな空間の中でも自然に植物が馴染むような繋ぎ役を鉢が果たしてくれるようにも思います。

 

―それぞれの材質の特性を教えてください。

素焼きの鉢には、多孔質という小さな穴がたくさん空いています。植物に水をあげると、その穴が過剰な水分を吸収してくれるので、水が乾くスピードが早く鉢内も均等に乾きます。植物は土が濡れてから乾くまでの間に根を伸ばすので、乾燥と湿潤を繰り返すことができるテラコッタの鉢は、植物の成長には一番適しています。
逆にプラスチックの鉢は、材質自体に穴は空いていないので、土が乾きにくく根腐れしやすいという傾向はあります。ただ、水持ちが良く土の乾きは抑えられるので、水を好むシダ類などは適していると思います。また、家を空けがちで水やりが難しい方には向いているかもしれませんね。

 

―鉢の選び方を教えてください。

コニック型は最もスタンダードで、観葉植物、庭木など植物全般に向いています。葉のボリュームが多くても少なくても合わせやすく、バランスが良いです。逆に個性が強い植物には、少し合わせにくいかもしれませんね。
丸型は、ガジュマルのような枝ぶりにインパクトがあるものや、ソフォラ・ミクロフィラなど繊細なものにおすすめです。単体でも見栄えのある植物や、葉と枝のバランスが良い植物が、すんなりと収まりやすいです。
安定感のあるシリンダー型やキューブ型は強風でも倒れにくいので、ユーカリ、オリーブ、ティーツリーなどの庭木が適しています。上に伸びる枝が太く、シンメトリーな木を植えても良いですし、枝振りが特徴的なものもよく映えると思います。

単純に格好良い植物に格好良い鉢を合わせれば良いというわけではなく、植物と鉢のバランスや育てる環境を優先した鉢選びをおすすめしています。鉢の選び方ひとつで植物の見え方も変わりますし、鉢で空間全体の空気感まで変えることができます。スタッフはお客様のご要望も取り入れつつ、柔軟に鉢や土のご提案をするように心がけています。

 

―鉢を選ぶ際に気をつけることはありますか?

店頭でも、よく鉢のサイズについて質問されることがあります。一般的に鉢の高さが植物の1/2〜1/3くらいだとバランスが良いです。また現状の鉢に対して植え替えする鉢が大き過ぎると土が乾きにくいので、基本的には直径がひと回り大きいサイズを目安に選んでください。鉢と植物をセットで買っていただくと植え替えも無料でさせていただきますので、いろいろ合わせてみてピッタリなものを見つけてください。

ただ、大きな植物になると、とても重たくなり動かすだけで一苦労です。その場合は、出荷鉢からひと回り大きなプラスチック鉢に植え替えて、その上に鉢カバーとしてセメントや陶器の鉢を使う方法がおすすめです。そうすることで比較的扱いが楽になりお世話もしやすくなります。

―最後に一言お願いします!

いろいろ言いましたが、やはり迷った時や困った時には、まずスタッフにご相談ください。ご自宅にある植物を持ってきて店頭でその植物に合う鉢を探されるお客様、また植え替えのご相談で植物を持って来られるお客様もいらっしゃいます。その植物の状態や置かれる環境、また季節なども考慮して対応させて頂きます。鉢についても、店頭に無いものは取り寄せることもできますので、お気軽にご相談ください。

interviewer:Mari Ohki

坂倉幸介

坂倉幸介

Kousuke Sakakura
garage TOYOHASHI 店長

岐阜県多治見市出身
好きな植物:グラス系
好きな食べ物:ピスタチオ
趣味:ドライブ