観葉植物の育て方 VOL.1
  • HOW TO

<エバーフレッシュについて>

エバーフレッシュは中南米や東南アジアを原産とする常緑樹で、小さく密生したさわやかな緑の葉が特徴です。現地では30mを超す大木にも育ちますが、鉢植えでは成長に合わせて剪定しながら、リビングに合うサイズで育てていくことが可能です。

ネムノキという別名でも呼ばれる通り、夜になると葉を閉じて眠り、日が当たり始めると葉を開きます。その姿はとても愛くるしく、日々の変化が楽しめる観葉植物です。

garage豊橋店

 

▶エバーフレッシュの成長

エバーフレッシュの成長期は5~9月頃です。この時期のエバーフレッシュは成長速度も速く、たくさんの新葉が展開します。また、この期間には、生育環境によっては綿毛状の花を咲かせることがあります。気温が下がってくると徐々に成長が鈍くなります。 成長が鈍くなったら徐々に水やりの頻度を減らしていきましょう。

▶置き場

室内の窓辺で、夏はレースのカーテン越しに置きましょう。厳冬期や夜間の窓辺は冷えるので夜間はカーテンを閉めたり、窓辺から離すなどの防寒対策をしましょう。また、夏の暑い時期はお部屋が蒸れて植物にダメージを与えることがあります。日中に長時間留守にするときは、換気扇や扇風機を回すなどの対策をおすすめします。

▶水やり

何日に1回という水の与え方ではなく、指で土を少し掘り、湿り気が感じられないときに与えます。水の量は鉢の下から水が出てくるまでたっぷりと与えます。また、受け皿にたまった水は病害虫のもとになりますので必ず捨てましょう。また、葉を拭くことも大切な作業です。埃をとることで病害虫を予防し、光合成を促進します。

▶肥料

5月から10月の成長期の間でしたら与えても構いませんが、基本的には土の養分で十分です。ただし何年か経過すると土の養分もなくなりますので、その際には肥料を与えてもよいでしょう。冬に肥料を与えると植物が弱る恐れがありますので、絶対に与えないでください。また、元気のない時に肥料を与えると更に弱ることがありますのご注意ください。

▶ワンポイント

元来、観葉植物は日光がないと育ちません。しかし、時には日光が当たらない場所に置かざるを得ない場合もあるかと思います。その場合は弱ってしまうこともありますので、日ごろの管理が大切です。日光の入らない場所へ置く場合は、新芽が出たときに必ず2~3週間は窓辺に移動し日光に当てましょう。(その際、屋外に出すことは避けてください。急な環境の変化により、葉やけを起こすなど植物が弱る可能性があります)そうすることで新芽が日光のエネルギーを蓄え、日陰に戻しても丈夫な葉をつくり元気に育ちます。冬は水道水が冷えていますので、ぬるま湯をまぜるか、温かい室温でしばらく置いた常温のお水を与えましょう。


<エバーフレッシュにまつわるSTAFFのおはなし>

もしかしたら、一番好きな観葉植物かもしれません。
だけど今は自宅にはありません。数年前に枯らしてしまったのです。

かつてマイホームを買ったとき、友人からお祝いにいただいた小さなエバーフレッシュ。
当時はそれほど植物に興味もなかったけれど、その繊細で小さな葉と、さわやかな色味が気に入っていました。
そして何より私の心をときめかせたのは、夜になるとそっと葉を閉じ眠りにつくという、まるで小動物のようなその小さな生命感でした。

葉を閉じるエバーフレッシュ

それから約10年。少しづつ鉢を大きくしながら日々を共に過ごしていきました。
枯れかけてみたり、花をつけない年があったりと紆余曲折はありましたが、10年かけて天井に届かんばかりに伸び、たくさんの枝葉をつけた私のエバーフレッシュは、私たち家族のまさにシンボルツリーになっていました。

エバーフレッシュの花

成長意欲旺盛で、さわやかで可憐で、それでいて夜には眠りにつく。朝になったら『おはよう』と声をかけてしまいたくなるような、そんな彼女。(ここでは彼女と言わせてください)

だけどその別れは唐突でした。
原因はいまだにわからないけれど、数年前の冬のある日、彼女は天に召されました。その後、残された彼女の立派な幹は、ベランダの風雨に半年耐え、流木のような風合いに変化し、そして室内のアクアリウム水槽の中で流木として水景を彩ってくれています。

植物との付き合い方はいろいろありますが、そんな思い出深い一株。それが私にとってのエバーフレッシュです。

writer:Ryo Yoshida


店頭に並ぶ植物は、生産者から私たちの元へやってきます。ご自宅は十分に管理された生産者の環境とは異なるため、植物が環境になれるまでに少々時間がかかることがあります。
季節によっても様々な変化が起こりますので、お客様の元で水やりや育て方のサイクルを少しづつ見つけていくことがとても大切です。日々、植物を観察して、植物と共に過ごす時間を楽しみながら重ねてください。