STAFFのおすすめ VOL.3
  • COLUMN

植物の仕事をしていると、日々さまざまな香りに出会います。

ほろ苦く爽やかなユーカリや、芳醇なラベンダーの香り。午前中の柔らかな日差しや、窓から流れこむ昼下がりの風の香り。季節ごとの自然の香りをふと感じるとき、じんわりと温かな気持ちになります。

私にとって、香りは日々に深みを与えてくれるもの。暮らしに合わせて香りを選ぶのもまた、インテリアの醍醐味だと思います。我が家では、部屋ごとのイメージでフレグランスを選んでいます。

リラックスしたいリビングには、ヒノキなどのウッドの香りを。ダイニングスペースが近くても気にならない香り、というのもポイントです。レストルームなどの重たくなりがちな水回りには、爽やかで洗練されたフィグやマンダリンのフルーツの香り。そして寝室には、ホテルライクなグリーンティーの香り。軽やかで品も良く、心が落ち着きます。お気に入りの瓶をとっておいて、フレグランスを詰め替えて使うのもまた楽しみのひとつです。

最近のお気に入りは、マッチのお香"hibi"。マッチを擦る音や、あの焦げ付いたような側薬の香りは、子どもの頃の記憶を懐かしく思い出させます。

夜、部屋の灯りを落とし、マッチを擦って10分。深いシダーウッドの香りが広がります。ゆらゆらと煙がのぼるのもまた情緒深く、燃え尽きた後も深呼吸したくなる残り香が漂います。

季節やシーン、その日の気分に合わせて、毎日に香りを添えると、少し贅沢な気分になれます。

これからもお気に入りの香りを探しながら、日々の暮らしに取り入れていきたいです。

writer:Rei Nagata