STAFFのおはなし VOL.3
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一年で一番、お庭が緑で溢れかえる夏。
ユーカリやミモザ、オリーブやティーツリーなどのシンボルツリーは青々とした葉を勢いよく茂らせ、枝葉の先々までみなぎる強いエネルギーを感じさせます。

春に満開の花を咲かせた木々は、今では鈴のような緑色の実を木陰で揺らしています。ジュンベリーはすでに収穫の時期を終えましたが、ブルーベリーやブラックベリーは今が旬、そして秋に熟すノブドウは今からその色づきが楽しみです。

夏に花を咲かせるのは、エキナセアやジニア、ルドベキアなどです。これらは一般的に派手な印象を持たれがちですが、実は様々な品種があり、色や大きさ、咲き方が豊富です。

抑えた色味で小さめの花のものを選べば、お庭でも浮くことなく馴染んでまとまってくれます。アンティークカラーの褪せた色合いや八重咲のロマンティックな感じも素敵です。
穂をつけ始めたグラス類と一緒に風にそよぐ姿は愛らしく、つい手を差し伸べたくなってしまうような健気さを感じさせます。

夏のお庭に忘れてならないのは、ブッドレア。こちらは小さな花を穂状につける低木植物で、夏の間途切れることなく次から次へと花を咲かせます。

チョウが好む花としても知られていて、実際にその蜜を求めていろいろなチョウがお庭に訪れます。競うように飛び交うチョウたちは、緑のなかに美しく映えます。

ハーブたちも元気です。
初夏に咲くラベンダーは地面に落ちた花からも香りが立ち、庭仕事の時間を癒してくれます。また、レモンバーベナやレモンマートルの柑橘系の香りは、気分を爽やかにしてくれるので好んで植えています。

定番のミントやバジル、レモングラスやフェンネルは、ハーブティーや料理に使います。

木陰で目を閉じると聞こえてくるのは、そよぐ木々の葉擦れの音、鳥のさえずり、ヒグラシの鳴く声…、そんな微かな音に耳を傾けながら吹く風に身体をゆだねていると、夏の蒸し暑さはどこか遠くに霞んでいくようです。

息を深く吸い込んで、新鮮な緑や花々の濃い薫りを身体いっぱいに満たします。夏の庭は、心身に安らぎを与えてくれる心地良い憩いの空間です。

writer : Mari Ohki