植物のおはなし VOL.4
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スモークツリーはふわふわとした見た目が個性的で美しい植物です。5月頃に目立たない小さな花を咲かせた後、6・7月頃に伸ばす種を付けた花穂の様子が、まるで焚いた煙のように見えることからスモークツリーやケムリノキの名で呼ばれています。

初夏に出回る切り花は、花つきの枝ものならではの存在感があり人気です。花色がグリーン系のものはすっきり爽やかな、ピンク系のものは優美で甘やかな印象にまとまります。ガラスベースに生けて涼やかにお部屋に飾れば、夏のじめじめを忘れさせてくれますよ。

見頃が過ぎてきたら、風通しの良いところに逆さまに吊るしてドライフラワーにもできます。ドライならではの独特の雰囲気は、インテリアに合わせても素敵です。

スモークツリーは、庭木としてもおすすめです。最近はシンボルツリーにされているお家も多いようで、街なかを歩いていてもよく見かけます。

ブロンズ系カラーリーフのグレースや矮性でコンパクトに育てられるリトルルビー、花が多くつくヤングレディーや花色のグラデーションが楽しいグリーンボールなど、多くの品種が揃っています。お庭やベランダのスペースやお好みに合わせて選んでみてください。

ふんわりとした姿はもちろん愛らしいのですが、お外で小雨に打たれるしっとりした姿もまた情緒があり、私は好きです。

梅雨の季節に魅力ある姿を見せてくれるスモークツリーを、是非ゆったりとした気持ちで眺めてみてください。

writer:Mari Ohki