2026.10.01
代表|二村昌彦
ブランドディレクター|大林孝行
ブランドディレクター|渡邉亜希子

2027年に20周年を迎えるgarage。これまであまりお見せしてこなかった、ディスプレイやガーデニングのつくり方、植物の入荷現場などをまとめた本を2026年10月に刊行しました。
garageが大切にしてきた想いやこだわりをぎゅっと詰め込み、私たちの世界観を感じていただける一冊になっています。
出版にあたっての気持ちや見どころを、制作に関わった3人に語ってもらいました。
――本を出版しようと思った理由は?
二村)garageは19年前、豊橋で始まりました。そこから愛知、神奈川、東京、大阪へと店舗が増えましたが、これまで取り組んできた店づくりや庭づくり、植物との向き合い方を、もっと多くの方に知っていただきたいと思ったのが、出版のきっかけでした。
一つの店舗だけでは、garageという会社のすべてはなかなか伝わりません。20年目を迎えるこのタイミングで、これまでの歩みや考え方を一冊に残す意味があると思いました。
渡邉)私も一番は、「garageらしさ」を改めて伝えるきっかけにしたかったことです。
これまでは、先輩の背中を見ながら、それぞれが感覚的にgarageらしさを汲み取っていくことを大切にしてきました。でも、会社の規模が大きくなるにつれて、そうした感覚も言葉や形にして共有していく必要が出てきたと感じています。
今回の書籍もその一つです。言葉だけでは伝えきれない空気感や世界観を、写真やデザインを通して、より視覚的に伝えられるものにしたかったんです。
大林)実際にgarageは、店に来てもらって初めて分かる部分がすごく大きいと思うんですよね。空間だったり、植物の置き方だったり、スタッフとの会話だったり。
今回一冊にまとめることで、自分たちがやってきたことを少し離れたところから見ることができ、「garageって、こういうことをやってきたんだな」と改めて気づくこともありました。

――この本を読んだ方に一番伝えたいことは?
二村)植物を販売するだけではなく、植物の楽しみ方をいろいろな角度から考えて、スタッフと一緒に新しいアイデアや工夫を積み重ねてきた。その積み重ねが、今のgarageになっています。
それと、garageには「もったいない」という言葉から始まるクレドがあります。植物を大切に扱うこと、余ったものを捨てずに何かに使えないか考えること、古いものに新しい価値を与えること。そういう考え方も、garageの根っこにあるものです。
渡邉)私は、商品選び一つひとつにも背景があるという部分ですね。「素敵だから」「売れそうだから」という理由だけではなくて、その素材や商品が生まれた背景、生産者さんやメーカーさんの想い、企業理念まで含めて魅力を感じたものを扱う。
なぜgarageがこの商品を選んでいるのか。その背景まで感じてもらえたら嬉しいですね。
大林)そういう目に見えない部分も含めて感じてもらえたら嬉しいですね。店に置いてあるもの一つひとつにも理由があって、それが空間としてつながっている。だから一言だけでは、garageのことを説明しきれないんですよね。

――制作中の印象的なエピソードは?
渡邉)本当に、大海原の荒波を小さな船で進んでいくような(笑)。途中で転覆しそうでした。
やりたいこと、見せたいこと、伝えたいことは山ほどある。でも、それをどんな順番で、どう見せれば一番伝わるのか。一冊の本をつくるというより、一つの物語をつくるような感覚でした。
特に大変だったのが、私たちの中では当たり前になっている共通言語や感覚を、編集の方やカメラマン、ライターの方に理解してもらうこと。何度も豊橋店に来ていただいて、打ち合わせを重ねました。
大林)撮影の日に限って雨が降ることも多くて。「僕、雨男なんですかねー(笑)」なんて話していました。
でも、普段の仕事では感覚でやっていることを、「これはなぜなんだろう」と改めて考える機会になった。そこは制作を通して得た大きなものだったと思います。
二村)僕たち3人の考えが一致するところもあれば、「そんなことを考えていたんだ」と初めて知る部分もありました。
普段の仕事では、それぞれが自分の役割の中で判断していることも多いので、garageについてここまで深く話す機会は、実はそれほど多くなかったんですよね。大変でしたけど、改めてgarageについて考え、話せたのは楽しかったですね。

――本の中で、それぞれ特に気に入っているところは?
二村)僕はやっぱり写真です。以前から、店舗のどこを切り取っても絵になって、ポストカードにできるような店にしたいと考えてきました。
garageの店は、植物だけを見せるのではなく、植物と什器、古いもの、素材、空間全体が一つになっている。その雰囲気を写真でも感じてもらえると思います。
渡邉)私は沖縄の生産者さんを紹介しているページですね。これまで仕事を通して築いてきた生産者さんとの信頼関係と、garageらしさの両方が詰まっていると思います。
garageのためでもありますが、これまで一緒に歩んできてくださった生産者さんへの、ちょっとした恩返しのような気持ちもあります。生産者さんの名前を一冊の本に残せたことが、個人的にもすごく嬉しかったです。
大林)僕はHOWTOのページですね。普段、外にはあまり公表していない情報が、実はけっこう詰まっているんじゃないかなと思います。
よく見ると「こんなことまで載ってるんだ」という発見があると思いますよ。

――普段の仕事や店頭での接客だけでは伝えきれない、この本だからこそ伝えられたことは?
二村)店頭では、お客様がその場で見て、感じていただくことが中心になります。でも本なら、店舗の背景や、そこに至るまでの考え方を立ち止まって見てもらうことができる。
これまで19年間積み重ねてきたことを、写真や文章で残せたことは大きいと思います。普段は見えないスタッフの仕事や、生産者さんとのつながりまで含めて、garageの全体像を伝えられるのは、本だからこそだと思います。
渡邉)そうですね。お店では商品そのものを見ていただくことが多いですが、本では「なぜこれを選んだのか」「どこから来たのか」という背景まで伝えられます。
言葉だけでは伝わりにくい空気感も、写真やデザインを通して残すことができた。garageの考え方を、店舗に来たことがない人にも届けられるものになったと思います。
大林)garageは、一言で説明できるものではないと思うんですよね。
植物だけじゃなく、もの、空間、人、仕事の仕方など、いろいろなものがつながって今のgarageになっている。この本は、それを一つひとつ見てもらえるところが面白いと思います。

――どんな人に読んでもらいたいですか?
二村)まずは、いつもgarageに来てくださっているお客様です。商品や空間が偶然できているわけではなく、その裏側ではスタッフがいろいろな工夫や苦労をしています。この本を通して、普段は見えない仕事の部分も知っていただけたらと思います。
もちろん、まだgarageに来たことがない方にも読んでほしい。「園芸店にこんなお店もあるんだ」と興味を持って、実際に店舗へ来ていただけたら嬉しいです。
大林)園芸が好きな人だけじゃなくて、園芸に興味がない人にも読んでもらいたいですね。
植物だけではなく、ものや空間、仕事に対する考え方のヒントとして読んでもらえたらと思います。garageがやっていることを、園芸という枠だけで捉えずに見てもらえたら嬉しいですね。
渡邉)そして、garageで働くスタッフにも読んでもらいたいです。
表面的な「おしゃれさ」だけではなく、その奥にある考え方や熱量まで知ってほしい。これまで積み重ねてきたものを、次の世代にもつないでいきたいと思っています。

――この出版をきっかけに、garageはこれからどこへ向かっていきますか?
渡邉)今回、本をつくることで改めて気づいたのが、garageには「空間をつくる力」があるということです。
植物や商品を並べるだけではなく、空間全体で世界観をつくる。これまで積み重ねてきたgarage独自の感覚や表現を、これからは店舗の外にも広げていきたいです。
企業や施設の空間づくり、大きなイベント、舞台演出など、garageが培ってきた感覚を生かせる場所は、まだまだあると思っています。新しい表現にも挑戦したいですね。
大林)地域との交流や、地域に貢献できるような動きもしていきたいです。
これまでgarageは、店舗を中心にお客様や生産者さん、メーカーさんなど、いろいろな人とのつながりをつくってきました。これからは、そのつながりを地域にも広げていきたい。
そして、garageの考え方を次の世代につないでいくことも大切だと思っています。
二村)今回の本は、ゴールではなく一つの通過点です。
19年間やってきたことの中には、これからも守るべきものもあれば、時代に合わせて変えていくものもある。この本には、garageが守っていくべき原点が詰まっています。
お客様、生産者さん、メーカーさん、そしてgarageで働くスタッフ。garageは、関わってくださるすべての人がいて初めて成り立っています。
その輪をもっと広げながら、これからもgarageを通じて「植物と暮らす」楽しさをアップデートしていきたい。20年目からも、まだまだ新しいことに挑戦していきたいと思っています。
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