植物のおはなし VOL.7
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蒸し蒸しとした夏、涼を求めてお散歩でよく向かうのが、緑でいっぱいに溢れた公園の水辺です。

歩き疲れて木陰のベンチに腰掛けゆっくり時間を過ごしていると、水面を渡る風が気持ちよく感じられ、その場に涼しい空気が満ちているのを感じます。

目を瞑ってじっとしていると、いろいろな心地良い音が聞こえてきます。
さやさやという葉擦れの音、ぽちゃんと小さな魚が跳ねる音、トンボが羽を震わす音…。
緑と水がある居心地良い場所は、たくさんの小さな生き物たちが息づくビオトープなのです。

お家でも水生植物を育てることで、小さなビオトープをつくることができます。
水生植物とは、水辺や水中で育つ植物のことを指します。代表的なものは、ウォーターマッシュルーム、ウォーターバコパ、ウォータークローバーなどがあげられます。
水生植物はお花を咲かせるものも多く、水辺や水中を明るく彩る様子が見られます。

水生植物を植え付ける容器は、涼やかに中が見えるガラスベースがおすすめです。赤玉土で根の部分を植え付けたあと、土の上に小石や砂利を敷き詰めます。
そこにメダカなどの小さな淡水魚を泳がせれば、それだけでもうビオトープの完成です。
水のなかを緑が揺らぎ小魚が泳ぎ回るさまは、いつまでも飽きずにずっと眺められますよ。

水生植物も光合成をして成長するので、陽当たりの良い場所に置くか、植物育成ライトを当ててあげると良いですね。

時間に追われがちな日々の暮らしのなかで、時に水と緑を眺めながら時間を過ごすのもまた乙なものです。
今年の夏はお部屋のなかの小さなビオトープを愛でながら、涼やかにのんびり過ごしてみませんか。

writer:Mari Ohki