植物のおはなし Vol.13
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我が家のシンボルツリーは、大きなオリーブです。最初は1m足らずの苗木だったのですが、日当たりの良い場所に地植えをしたらすくすく育ち、今では4mほどの遠くから見てもよく目立つ、見あげるほど立派な木に成長しました。通りかかるご近所さんと、オリーブの話で盛りあがることもよくあります。

オリーブにはいろいろな品種があって、葉の色や形、樹形、実の大きさが違います。
ミッションやチプレッシーノは上に伸びる直立型で、まとまりやすい樹形です。ネバディロブランコ、ルッカ、マンザニロなどは、枝が横に広がりやすい開帳型なので、将来の大きさを考えて地植えする場所にはしっかり余裕をもってあげてくださいね。
コンパクトに育てたい場合は、鉢に植えて根切り(5月頃白い新しい根を残して、古い黒っぽい根を切りもとの鉢に戻して植える)をして、枝葉をしっかり剪定してあげる方法もあります。

オリーブは放っておくと、枝葉が混み合いやすいです。風通しの良い方が虫や病気の被害を受けにくいので、剪定は必要になってきます。おすすめの剪定は夏前までの間引き剪定と2~3月頃の強剪定です。間引き剪定はその名のとおり、重なり合う枝から間引いていきます。


オリーブの実がつくのは、その年の春から初夏にかけて伸びた新しい枝です。
なので若々しい葉をつけた枝は残しつつ、元気のない枝や地面に下がっている下り枝、幹に向かって伸びている逆さ枝、幹の根元から脇き芽のようにでているひこばえなどはどんどん剪定しましょう。同じ場所から枝が2本出ていたり、絡み合ったりしているところも、間引いてくださいね。
強剪定は、枝を通して向こう側が見えるくらい、かなりしっかり枝葉を剪定します。オリーブは芽吹く力が強いので、春にはまたもりもりと元気に芽吹いてくれますよ。

最近ではすっかり庭木として定番になってきたオリーブなので、お庭で育てている方も多いと思います。お客さまからお店でよく聞かれるのが、「どうしたら実はなりますか?」という質問です。
オリーブは基本的に、別品種を2本以上近くに植えてあげることで受粉し実がつきます。一本で実をつける可能性のある品種もあるのですが、たくさん実をつけさせたい場合はやはり2本以上一緒に植えてあげたほうが確実でおすすめです。実をつけやすくするために、ネバディロブランコやマンザニロなど、花粉を多く出す品種を混ぜて植えると良いですよ。

一年中緑の美しい姿を楽しめて、実も収穫できるオリーブ。
お庭に植えると、きっと日々の暮らしを豊かにしてくれます!

WRITER:Tsugumi Majima