2020.10.01
現在ブランドディレクターとして、お客様への提案書作成から実際の施工、またそれとは別に仕入れやワークショップも担当し、garageの仕事の中枢を担っている渡邉。garageの『一番のファン』を自負する彼女に、garageについて語ってもらいました。
―まず最初に、ブランドディレクターの視点から、garageはどんな店作りを目指しているか教えてください。
お客様はお気づきか分かりませんが、店内には目立ったPOPがないんです。それがお客様にとってご不便を感じさせてしまうこともあるのですが、そこには理由があって。植物の名前でも何でも良いので、スタッフと一言でも言葉を交わして頂きたいという想いからなんです。情報が満たされていると、お客様と一言も交わさずにお会計を済ませてしまうこともあると思います。けれどもgarageの商品はどれも自信を持ってお勧めできるものばかりなので、その商品の良さを直接お話しして、納得できるお買い物をして頂きたいと思っています。お友達とお喋りをしに来てくれるような、そんなラフな気持ちでお店に立ち寄って頂き、楽しくスタッフと交流していただけると嬉しいです!
―仕入れの時には、どんなことを意識していますか?
仕入れは、商品をお客様の手元へ届けるまでの重要な役割です。選んでくださるお客様の視点を大切にして、喜んでご自宅に迎え入れてもらえるように、ひとつひとつ丁寧に選ぶように心がけています。
商品に関しては、植物が美しく見えるように空間を表現できるアイテムを意識しています。また、〝garageらしさ〟も非常に大切にしています。〝garageらしさ〟とはとても感覚的ですが、garageが提案する空間を創り出すうえで必要不可欠なものです。使い込んだ風合の物たちが醸し出す空気感を活かすことがgarageの得意とするところ。この商品は店頭でどんな表情になるか、お店の空間を引き立ててくれるか、そんな事をいつも考えてチョイスしています。
植物に関しては、樹形の美しさを一番意識していますね。初めて仕入れのために行った沖縄では、生産者さんの顔を見て直接お話しをすることで、その想いや植物が育つ環境がよく分かりました。そして、植物についてもっともっと学びたい!と刺激を受けました。そのワクワク感は、沖縄へ行く度に味わうことができます。植物を初めて購入する方、もともと植物に興味のある方、いろいろな方へ植物の魅力が届くように、ワクワクする気持ちを忘れずに仕入れをしたいと思っています。
―担当をしているワークショップはどんな雰囲気ですか?
私は木工・多肉植物の寄せ植え・ドライフラワーなど、様々な担当をしていますが、ワークショップは自分にとって、お客様とより深く関わることの出来る貴重な時間だと思っています。ワークショップを楽しんで頂くことが第一ですが、モノを作りながら、さりげなくお客様の興味のある商品や植物、どんなワークショップを求めているかなどの情報を収集できる場です。
また、garageってこんなに面白いお店なんですよ!と直接お伝えできる場でもあります。園芸店なのにアートギャラリーを併設していたり、イベントを開催したり、植物溢れる店内でウェディングが出来たりと、garageの魅力を存分に発信できる機会なので、私も張り切ってお喋りしちゃいます。
お客様にとってワークショップは、その過程も楽しみのひとつ。様々な過程を経て世界にひとつの作品が出来上がったときは、みなさんとても嬉しそうにされています。また、はじめて出会ったお客様同士が、一緒に作業をすることで会話が生まれて笑い声が聞こえてくるときは私も嬉しくなります。最後に達成感のある表情をされて帰っていかれる皆さんをお見送りする時には、私も安堵しますね。
―ずばり!garageの魅力とは
garageの店内は、どこを切り取っても、そこにストーリーが存在するような味わいのある空気感を大切にしています。園芸店だけど、ただ商品を並べるだけではなく、ひとつひとつのシーンを創りあげる表現者でもあると思っています。
大きなディスプレイを制作するときも同じで、お客様の意向を取り入れつつgarageならではの表現を提案できるように、想像力+表現力のオリジナリティを創り出すことを大切にしています。例えば、何もない場所にたくさんの資材を持ち込み空間を創ることからスタートして、そこへ植物や雑貨、更には自分達で作ったオブジェを入れ込み、ひとつのシーンを創り出す。そんなgarageにしかできない空間表現が最大の魅力だと思います。
garageは現在、豊橋・名古屋・横浜・立川で店舗を展開しています。お店によって、接客するスタッフも様々です。同じ商品でも店舗の立地やディスプレイをするスタッフの違いで、それぞれのカラーが生まれます。基本的な〝garageらしさ〟は崩さずに、それぞれの店舗がその土地に根付いていくことを願っています。
interviewer:Mari Ohki
渡邉亜希子
Akiko Watanabe
brand director