STAFFのおすすめ VOL.31
  • COLUMN

今年の中秋の名月も、所によって明るく光輝く満月がみられましたね。
秋のお月見を楽しまれた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

お月見といえば、秋の収穫を感謝したりお祝いしたりする意味合いもあります。

そう、秋といえばたくさんの野菜や果物が実りを迎える季節です。

ほっくりした質感のいも栗かぼちゃ、みずみずしく艶やかな柿や梨…、そんな見目麗しい秋のご褒美に巡り合うたび、合わせたくなるのが飴色の食器です。

よく、「飴色に炒めた玉ねぎ」、「使い込まれた飴色」などという表現で使われる
飴色は、水あめのような透明感のある茶褐色を指します。
濃い飴色に黄や橙は調和しながらも映え、お互いを引き立て合う色といえます。
そして温かみを感じ食欲を沸き立たせる、なんとも秋らしい色合わせです。

これからの季節はポタージュやお鍋など、温かいメニューが食卓を彩る場面も多いですよね。そんな時にも活躍してくれるのが飴色の器です。
素朴な素材の色を柔らかく包み込み、色とりどりの具材もまとめ上げ料理を美味しそうに見せてくれます。

飴色は奥深い茶色、すべてのものが育まれる懐深い大地と同じ色です。だからこその優しさで、入れるものすべてをまろやかに受け止めてくれるのかもしれません。

最後にひとつ、深めのボウル皿は鉢カバー、平たい丸皿は受け皿として、植物を飾って愛でることもできます。もちろん、植物の緑も器と調和し美しい取り合わせとなりますよ。

最近は秋という季節がとても短くなっているのを感じます。
空気、彩り、味わい…、器にもこだわって食卓の設えから秋の風流を満喫してくださいね。

writer:Mari Ohki