植物のおはなし VOL.24
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植物のなかには、自然のなかで木の幹や岩に着生して生えているものがあります。
例えばビカクシダは、木の幹に着生し木漏れ日を受けながら、
貯水葉の隙間に木からの落ち葉を貯めそれを養分にしながら成長します。

そんな着生植物の自生地の姿を再現できるのが、板付けという育て方です。
板付けとは、木の板や流木に植物を付けて栽培する方法で、着生植物を育てる際に使われます。

熱帯雨林のサボテンといわれるリプサリスも、ビカクシダ同様、木の幹に着生している植物なので板付けに向く植物です。
ほかにもエアープランツやタンクブロメリア、水はけと風通しを好み岩などに着生するランも板付けに向いています。

自分で植物を板付けにする際、一般的には板・水苔・テグス・結束バンド・ワイヤー、ドリルなどが必要です。
基本的に板付けする板は木製を使いますが、水やりの際は板自体もしっかり水に浸すことがあるので、水に強いコルクやヘゴなどが向いています。

私のおすすめの方法は、まず板にドリルで穴を空け結束バンドを通し、そこに根の部分をしっかり固定する方法です。
固定した根部分を水苔でしっかりと覆い、テグスなどを巻きつけていき着生させます。板の上中央に穴をあけてワイヤーを通し吊り下げ用のフックをつくると飾りやすいです。

完成した板付け植物を飾ると、自生地本来の姿を取り戻してなんだかよりいきいきしているようにみえます。
絵画などのアートと並べて飾っても、植物のみとは違う魅力ある見え方を引き出します。
すでにたくさんの植物を育てていて植物を育てるスペースがない方でも、壁掛けで育てられるため場所をとらず植物を楽しめるというメリットもありますよ。

店頭ではすでに板付けされている着生植物が並んでいますので、自分で板付けが難しい方でも気軽にまずは一株、育ててみてくださいね。

writer:Tsugumi Majima