植物のおはなし VOL.19
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ユーカリは、一般的にはコアラが食べる植物として知られていますよね。オーストラリアで確認されているユーカリの品種は約900種もあるといわれています。
葉には抗菌成分であるシネオールという成分が含まれていて、特有の清涼な香りがします。蒸留して抽出した精油では、よりしっかりとした爽やかな香りを楽しむことができます。

ユーカリといえば、丸葉のポポラスが有名です。庭木として鉢や地植えで植える方も多く、最近では丸い葉や美しい幹を楽しめるシンボルツリーとしても人気です。

シルバーがかった小さな葉が特徴のムーンラグーンやグニー、実が特徴的なプレウロカルパ、めずらしいところでは葉のかたちがハート型をしたウェブステリアナという品種もあります。

また最近ではブルーレンガンも注目の品種です。たくさんついた小さな葉が風にさざめく姿が美しく、既存のユーカリのイメージとはひと味違う姿をしています。

矮性といって大きくなりすぎないように改良された品種なので、省スペースで場所をそれほど取らずに楽しめるのも魅力です。まだ限られた店舗でしか手に入らない、流通数の少ないユーカリになります。お見かけの際にはぜひ、よくご覧になってみてくださいね。

ユーカリの花言葉のひとつに「再生」があります。一年を通し乾燥しているオーストラリアでは、山火事の頻度が高いです。ユーカリが山火事にあったあと、黒焦げになった幹からも力強く新芽が吹いてくる様子からこの言葉がつけられました。

逆境をものともせず蘇るその生命力の強さから、縁起ものとしてハレの日のブーケや装飾花としてもよく使われています。

ユーカリは、初めてオージープランツを育てる方にもおすすめです。
剪定した枝をフラワーベースに生けたりスワッグにしてドライにしたりと、一本あると暮らしのなかでの植物の楽しみ方が広がります。

ぜひ、お庭やベランダで楽しんでみてくださいね。

writer:Tsugumi Majima